車検は2年に一度到来するお金がどうしてもかかってしまう出費ですが、安全のためにも、法的に問題なく車に乗るためにも必ず受ける必要があります。
基本的には、車検は業者に依頼することで費用を支払う代わりに代行してもらうことが可能ですが、出費をできる限りおさえたい場合には「ユーザー車検」という方法があります。
しかし、運輸支局に足を運ぶ必要があったり、準備物の順番がよくわからなかったりと、ユーザー車検は通常の業者による車検と比べてハードルが高いと感じるかもしれません。
そこで今回は、ユーザー車検の必要書類や流れをまとめて解説しています。注意点も含めご紹介しているので、ユーザー車検のやり方をしっかりおさえることができるでしょう。
INDEX
ユーザー車検とは?
ユーザー車検は「業者任せ」が一切できない方法
ユーザー車検は、自動車オーナーが業者に何も依頼することなく、すべての手続きを行うことで自動車検査を実施する方法になります。
メリットとしては、車検にかかる費用が数万円で済むことです。その分、自分で必要書類を確保する必要があったり、部品に問題がある場合は自分で修理などして解決する必要があります。
ただし、検査内容に関しては不備が少しでも見られた場合は再検査になります。そのため、自身で整備する必要があることは必ず覚えておきましょう。
ユーザー車検の手順|書類の手続き・検査ラインの流れ
ここではユーザー車検の準備と予約、必要書類の用意と実際の検査ラインの流れ・注意点をまとめて解説していきます。
ユーザー車検は工程が多いですが、ひとつひとつは難しくありません。しかし、万が一修理が必要になることを想定して、最寄りの修理工場などを探しておくと良いでしょう。
1 事前に用意できる準備物を揃える
事前に準備しておくべき必要書類・必要物は下記の通りです。
- 自動車検査証(車検証)
- 点検整備記録簿
- 自動車税納税証明書
- 自賠責保険加入証明書
- 印鑑
点検整備記録簿
整備記録に関しては、「整備工場」「ディーラー」で整備を依頼することで発行してもらうことが可能となります。整備はユーザー車検の場合必ず必要です。
車検ほど費用はかかりませんが、整備は修理工場で行うと費用を抑えやすいです。整備工場は「グーピット」などで利用することができます。
自動車税納税証明書(基本は不要)
自動車税は毎年4月の通知により支払うことが義務付けられている税金です。支払ったことを証明する「納税証明書」が発行されています。
ただし、車検が「継続検査」であり税金の滞納がなく「年度内に富山県、長野県、岐阜県、大阪府、鳥取県、岡山県、愛媛県、佐賀県以外のナンバーになっていない」という条件に当てはまれば、車検で納税証明書は不要となっています。
自賠責保険加入証明書
自賠責保険は強制保険になるため、車検時に手続きをする必要があります。事前にディーラー・整備工場・コンビニなどで加入することができます。
また、隠喩支局敷地内や近隣の保険代理店でも加入することができます。
2 検査予約システムで予約する
次は、実際に自動車検査を受けるための予約システムを利用します。最初の利用では個人情報を入力しアカウントを取得する必要があります。
この際、コード番号・暗証番号・予約番号をメモしておくか、スクリーンショットを保存しておきましょう。2週間前から予約が可能です。
軽自動車の方は軽自動車専用の検査予約システムがありますので、そちらを活用してネット予約をおこないましょう。
また、運輸支局の場所・利用できる時間帯は「全国運輸支局等のご案内」で確認できます。
3 ユーザー車検の申請書類一式を揃える
運輸支局で車検の申請書類一式を揃える段階です。
- 継続検査申請書
- 自動車重量税納付書
- 自動車検査表
継続検査申請書
継続検査申請書の書き方は下記の通りです。
- 有効期限:乗用車「4」・貨物車「2」を記入
- 自動車登録番号:ナンバーを記入
- 車台番号:車の車台番号「下7ケタ」を記入
- 車検証に記載されている使用者の住所・氏名を記入・捺印
自動車重量税納付書
自動車重量税は納付金額を知る必要があります。下記は国土交通省資料の税額をまとめた表になっていますが、不明な場合は窓口で確認しましょう。
- 使用者:車検証の使用者の氏名・住所を記入
- 自動車登録番号等:車のナンバーを記入
- 自動車検査証の有効期間:車の有効期間にチェック
- 自家用・事業用欄
- 自動車の区分等:車検証に記載されている情報から種別・用途・車両重量を記入
- 納付金額(下記表を参照)
車両重量 | 2年 | |||
エコカー 減免無し |
||||
エコカー (本則税率) |
エコカー 以外 |
|||
右以外 | 13年経過 | 18年 経過 |
||
~500kg以下 | 5,000円 | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 |
~1,000kg以下 | 10,000円 | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 |
~1,500kg以下 | 15,000円 | 24,600円 | 32,400円 | 37,800円 |
~2,000kg以下 | 20,000円 | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 |
~2,500kg以下 | 25,000円 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 |
~3,000kg以下 | 30,000円 | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 |
自動車検査表
自動車検査証も車検証と走行距離を把握しておけば記入することができます。なお、手数料として小型自動車は1,700円、それ以外は1,800円の費用がかかります。
- 登録番号:車のナンバーを記入
- 原動機型式:車検証の原動機の型式を記入
- 車台番号:車検証に記載の車台番号を記入
- 走行距離:走行距離を記入
- 申請者の住所:住所・氏名・電話番号を記入
- 手数料納付欄
3 自動車検査の検査ラインを利用する
近隣の運輸支局で検査を予約することで検査ラインを利用したチェックを行うことができます。検査ラインでは様々なチェック項目がありますが、最初に外観チェックが行われるため、タイヤのホイールキャップを外しておきましょう。
外観チェック
検査官に工程をお任せする形になりますが、基本的には灯火類・ボンネット内部・その他各種外観のパーツがチェックされることになります。また、騒音チェックなどが入るためカスタム車は注意が必要です。
タイヤ・ブレーキチェック
タイヤの横滑り・ブレーキの検査を行います。タイヤの劣化やブレーキの不調等がなければ、指示に従いブレーキ操作等を行うだけで実施完了です。
スピードメーターチェック
一定速度をキープしパッシングを行うなどの検査が行われます。基本的には指示に従い走行すれば大丈夫ですが、具体的な検査手法は検査場所によって異なります。
ハイビームチェック
車検を受ける前の前提として、灯火類のチェックは必ずしておきましょう。特にハイビームでは光軸がぶれているなど気づきにくい部分が検査時に判明する可能性があります。
排気ガスの異常チェック
マフラーから出る排気ガスのチェックが行われます。
足回りのチェック
検査官が足回りのチェックを行います。停車していればよく、基本的にこちらが動く必要はありません。
必要書類の提出と受け取り
検査ラインから出たあと、検査官に書類一式を提出します。その後、検査終了の印が押されるため、それをもとに新しい車検証とシールを受け取ることができます。
まとめ|ユーザー車検は慎重に実施しましょう
ユーザー車検は今回ご紹介した通り、必要書類の準備や手続き、手数料や税金の支払いといった各種作業がたくさんあるため、煩雑と感じることもあるかもしれません。
また、整備費用はどちらにせよかかるため、時間的に難しい方以外が実践すべき方法でしょう。
ただ、こういった事務的な手続きは数回やるうちに慣れてくるものでもあります。そのため、時間的余裕がある年に試してみる価値は十分あるでしょう。